ねじができるまで
1.材料
ねじに加工する前の材料です。 コイルのようにねじの原料となる細長い金属がまかれている状態です。 そこからヘッダー圧造機に引き出されていき、ねじ下となります。
2.圧造
ねじに加工する前の材料です。 コイルのようにねじの原料となる細長い金属がまかれている状態です。 そこからヘッダー圧造機に引き出されていき、ねじ下となります。
引き出されたコイルは今度は圧造機についたナイフで切断され、 ダイスと呼ばれる筒状の工具に送られます。 その後、金型でパンチし、ねじの頭にあたる部分を成型します。 この時、圧縮させることから「圧造」と呼ばれます。
最後に残っている製品をけり出しピンでダイスの外に突き出します。 ねじの頭ができてけり出されたねじの原料は自動的にコンベアにより、 ボックス内にプールされていきます。 弊社の圧造工程では、素材を常温状態でそのまま加工することが可能なため、 短納期、かつ低コストで品質の高い製品を量産することができます。 圧造方法にも膨らまし、後方押し出し、打ち抜き等、様々な方法があり、 非常に奥が深いのが、圧造工程です。
3.転造
転造とはねじ山を作る工程のことです。 ねじ山を作ることを「ねじを切る」と表現しますが、 実際には、ねじの素材を挟み込むようにしながら、 ねじ山が刻印された素材(転造ダイス)を機械の高い圧力で押して、 転がすことで、ねじ山ができます。 このようにねじ山を転がして作ることから「転造」と呼び、 英語で言えば「ロール(roll)」することなので、 転造の機械をローリングとも呼びます。 この転造の種類にもダイスによって、様々で平ダイス、丸ダイス、 プラネタリ式等があります。 このとき、不良品が混入しないよう、 ねじ山がずれて作られたり、不完全なものが混じった場合は、 センサーにより、自動的に転造機は止まるように作られています。
4.検品作業
特に弊社の主力商品であるCDスタッドボルト雄ネジの ストレートタイプでは、その溶接部分の耐久力が問われます。 いくらねじとしてしっかりと完成していても、溶接に必要な ねじの頭のチップ部分が正確に形状されていなければ、 溶接がはがれてしまい、大きな人災や災害に直結することもあります。 そのため、東和鋲螺ではトルク検査やハンマーで曲がるまで叩いて耐久度を検査しております。
5.梱包・出荷
最期に完成したねじを梱包し、お客様の下へ出荷します。
雄ねじ、ボルト、ナット、ねじの呼称について
ボルトとナットとねじの違い
ねじと同様の名称として「ボルト」がありますが、 JISでは以下のように定義されています。 ・ボルト:一般にナットと組んで使われる雄ねじ部品の総称 ・ナット:雌ねじ部品の総称 しかし、実際にはナットと組んで使わないものをボルトと 呼ぶことや、ナットと組み合わせるものをねじと呼ぶこともあり、 用語の使用には揺らぎがあります。 その他にも「ビス」というものがありますが、 これは「小ねじ」とほぼ同義です。
雄ねじ
おねじと読み、ナットのように内側にねじ山のある 「雌ねじ(めねじ)」と組み合わせて使われるものです。 弊社が誇るCDスタッドボルト雄ねじのストレートタイプも、 このタイプでナットと組み合わせて使われるものです。
ねじの歴史
現代の歴史家によれば、紀元前400年代、 古代ギリシアのアルキタスによってはじめて作られたという説もあります。 アルキタスは、ソクラテスの弟子にして、哲学者として知られる プラトンの良き友であり、その顔も哲学者、数学者、天文学者、 音楽理論家、政治家、軍事戦略家など様々な側面を持つ天才です。 その他には紀元前200年代の天文学者であり、 数学者であるペルガのアポロニウスが発明したとする説もあります。 すでに紀元前2600年にはピラミッドの建設における石などを運ぶために 「斜面の原理」が使われている例もあり、ねじの起源は未だ明らかに なっておりませんが、実際、円筒状の筒の中に大きなねじを入れた 揚水用ポンプに使用されたアルキメディアン・スクリューはその名の通り、 アルキメデスの発明と言われており、機械へ螺旋構造の部品を使用したものとして、 現在、発見されている最古の例とされています。 ねじ構造はアルキメデスの様な天才でなければ思い描くことが できなかったと提唱する者もあり、 実際「ねじは中国で独自に生み出されなかった、 唯一の重要な機械装置である」とも言われています。